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海外は休んでるのに…?働きすぎた中堅研究者が見つけた“納得できる働き方”

「海外の研究者はまた3週間のバカンス?」──そんな自動返信メールに、もやっとした経験はありませんか?日々の業務に追われるなか、「納得して働くって何だろう」と、自分に問いかけたAさん。予定をすべて手放した“白紙デー”で、自分を整える感覚を思い出したそうです。「休むこと」に罪悪感を抱かず、自分で選んだ働き方に納得できるようになるために──。 自分で選んだ働き方に納得

研究者の休めなさ──「自分だけ働いている」という孤独

「彼ら、また3週間バカンスか……」
そうつぶやいたAさんの顔には、ほんの少し自嘲が混じっていました。
その日も、学会のセッション準備と学生の進捗確認で半日が潰れたそうです。
Slackを開けば、海外の共同研究者からは「I'm out of office until July 25」とだけ書かれた自動返信が並んでいたといいます。
「一方こっちは、査読対応と科研費の準備で、土日も埋まってるのに」
笑っていましたが、その目の奥には疲れが滲んでいました。
Aさんは40代後半の理工系研究者。かつては寝食を忘れて研究に没頭していたそうですが、いまは論文執筆に加えて学生指導、学内業務、プロジェクト管理、そして家庭のことまで、背負うものが増えすぎているとのこと。
「研究は楽しいけれど、もう“楽しいだけ”では続けられない」とAさんは言います。
それでも、朝の目覚めから疲労を感じる日々のなかで、無理やり自分を奮い立たせ、研究室に向かう。
そんなAさんに、「納得して働く」って、どういうことなのか。ある会話のなかで、少しだけそのヒントが見えた気がしました。

納得できない働き方に、理由を探し続けていた

「自分で選んで頑張ってるはずなのに、どこか納得できてないんですよ」
Aさんは、ふとそう漏らしました。
「論文を通すのも、国際会議に出すのも、誰かに命じられたわけじゃない。自分の研究を通したくてやってるんです。でも……」
彼が言葉を詰まらせたとき、私は何となくその続きを感じ取りました。
やらされているわけではない。けれど、気づけばいつも、何かに追い立てられている。
「気がつくと、休んでる人をうらやましく感じてるんです。自分だって、3週間くらい全部手放してみたい。でも、そうしたら戻ってこれない気がして」
その感覚、私にも心当たりがあります。
Aさんにとって、研究とは「立ち止まったら負け」のような世界だったのかもしれません。
AI、量子計算、マルチモーダル解析──技術の進化は止まらない。
一方で、自分の集中力や体力は、少しずつ目減りしていく。
「休んだら追いつけなくなる」という恐怖と、「もう少しラクになりたい」という願い。
そのせめぎ合いの中で、Aさんは自分を納得させる理由を探し続けていたのです。

1日“完全オフ”にしてみたら、意外な変化が

そんなAさんが「ちょっとした実験」をしたのは、7月のある月曜日でした。
「実は、1日だけ予定を全部キャンセルしたんです」
スケジュールに空白をつくり、Slackにも「1日だけオフラインにします」と記載。
「朝から研究室に行かず、論文も開かず、スマホの通知も切って……近所の喫茶店で、本を読んでみたんです。研究とは関係ない、小説を」
そこで何か特別なことが起きたわけではないそうです。
「でも、面白かったんです。物語に集中するって、こんなに脳が休まるんだって」
そして、意外な変化もあったそうです。
「夜、頭の中が整理されてたんです。やりたいこと、やらなきゃいけないこと、それが自然と分類されてた」
それまでは、研究の全てが「今すぐやるべきこと」に見えていたそうです。
でも、ひと呼吸置いたことで、「今でなくてもよいもの」「他人に任せてもよいもの」が見えるようになった。
それが、Aさんにとっての“納得感”の第一歩だったのかもしれません。
「やることは変わらない。でも、自分が“選んで”やっている、という意識が持てるだけで、だいぶ違います」
Aさんは、そう話してくれました。

中堅研究者に必要なのは、努力より“回復の技術”

この話を聞いて、私はAさんにひとつだけ質問しました。
「その1日のリズム、もう一度やってみる予定はありますか?」
すると彼は少し笑って、こう言いました。
「実は、毎月1回だけ“白紙デー”を入れることにしました」
白紙デーとは、あえて予定を何も入れず、緊急対応以外は一切受け付けない日。
「その日に何をするかは当日決めます。散歩でも読書でも昼寝でも」
それは“研究者の贅沢”かもしれません。
でも、Aさんはこうも言いました。
「40代も後半になると、“頑張ること”よりも、“どう回復するか”のほうが重要になりますね」
集中力低下、慢性疲労、健康管理の問題は、中堅研究者にとって現実的な課題です。
それらに対処するには、ルールではなく「習慣化された回復」が必要だと、Aさんは気づいたのでした。

整え直すための道具──「安心感」で選ぶ研究ツール

Aさんが、そんな「白紙デー」のお供に選んだものがあります。
それが、「KINTO トラベルタンブラー」でした。
「なんてことない、保温保冷のステンレスボトルなんですが、これが不思議と“手放せない存在”になりまして」
茶店での読書中、公園のベンチでの小休憩中、どこにでも連れていくようになったそうです。
「自分の好きな飲み物を、自分のペースで飲める安心感って、大事なんですよ」
研究の現場では、効率や速度が求められる場面が多いですが、Aさんはこう続けました。
「“効率を上げるために必要なのは、安心感かもしれない”って、最近よく思うんです」
研究者にとって道具は、“戦うための武器”だけでなく、“回復のための道具”でもある。
そんな気づきもまた、納得して働くためのヒントのひとつなのかもしれません。
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ひと息つく時間に、華やかでやさしい泡を。


“誰かと比べない”というセルフケアの選択

最後に、Aさんはこう言いました。
「いまでも、Slackの“バケーション中”の表示を見ると、ちょっとだけモヤっとします。でも……」
でも、あの日、自分で自分の時間を選んだこと。
「それがあるだけで、やるべき仕事に向き合うときに、ほんの少し心が軽くなるんです」

誰かと比べている限り、納得は遠いのかもしれません。
でも、自分が選んだ道であれば、その疲れにも意味を見出せる。
研究という長距離走のなかで、そんな静かな納得感こそが、もっとも大切な燃料なのではないか。

「研究は、手を動かす前に、“気持ち”を整えることが大事なんですね」
そう話すAさんの表情は、どこか晴れやかに見えました。

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研究者のためのセルフケア豆知識

1. 「白紙デー」を月に1度入れてみる

予定の詰まった日々のなかで、意図的に“何も予定を入れない日”をつくることで、脳と心に余白が生まれます。月に1日でも、自分の状態を観察し直す時間をもつことで、慢性疲労や集中力低下の防止にもつながります。

2. 通知オフタイムを自分に許す

メールやSlackの通知を「見ない時間」をあらかじめ決めておくことで、オンオフの切り替えがしやすくなります。夜間だけでも通知オフにするだけで、睡眠の質が上がり、ストレス軽減・健康管理にも効果的です。

3. 読書は“研究外”のジャンルを

論文以外の本に触れることで、頭の回路がいったんリセットされます。特に物語や随筆など、ストーリー性のあるものは、感情に訴える刺激が入り、脳の別の領域が活性化。リラックスと同時に創造性も養われます。

4. 自分だけの“整えるアイテム”を持つ

香りのよい飲み物、手触りのよいブランケット、保温性のあるタンブラーなど、感覚を心地よく刺激するアイテムを職場に置くことで、緊張緩和のトリガーになります。「目に入るだけでホッとする」ものを一つ常備しましょう。

5. 「やる理由」を紙に書き出す

「この仕事は何のためにやっているのか?」という問いを、頭の中だけでなく紙に書くことで、自分の選択に納得が生まれやすくなります。ToDoリストではなく、「Whyリスト」をつくっておくのも、タイムマネジメントに有効です。