ちょっとイイ暮らし研究室

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その違和感、気のせいじゃないかも。暮らしの不調と“部屋の履歴”の話【見えない気配の整え譚】

「なんとなくツイていない」「空気が重たい」──それは、あなたの心の問題じゃないかもしれません。誰かが残していった“気配”や“履歴”が、部屋に滞ったままだったとしたら?暮らしの不調がじわじわと進行していく空間の、見えない影とその整え方についてのお話です。

私の不調は、どこから来ているのだろう

Zさんの家に通うようになって、もう何度目になるでしょうか。京都の中でも特に“空気が違う”と感じるエリアにあるその家は、訪れるたびに私の心を静かに整えてくれます。
今回こうしてまたZさんの元を訪れたのには、どうしても聞いてみたいことがあったのです。

最近、ふとした瞬間に“視線”を感じることが増えました。ひとりで家にいるとき、ふと誰かに見られているような感覚がある。寝室に入ると、空気が濃く、寝ても疲れが取れない。
鏡の前に立つと、肌の色がくすんで見えるような気さえする——。

「最近、なんだかツイてない気がして……」
そうZさんに話したのは、ごく控えめなつもりでした。でも彼女は、その言葉に静かに目線を落とし、こう言ったのです。

「その感覚、あなたのせいじゃないかもしれないよ。少し前にも、似た相談があってね……」

“空気が変わった瞬間”があったと言う女性の話

Zさんが語ってくれたのは、30代の女性の話でした。
独身で都内の広告代理店に勤めるその女性は、数ヶ月前に古いアパートへ引っ越したばかり。
最初の一週間は特に問題なかったそうですが、ある朝ふと、「部屋の空気が急に重たくなった」と感じた瞬間があったといいます。

その日を境に、日常の歯車が噛み合わなくなっていったそうです。
腕時計が壊れ、スマホのアラームが鳴らず、時間に遅れる。資料をUSBに入れ忘れ、プレゼンが白紙に戻る。
「こんな失敗、自分らしくない」
そう思いながらも、不調の理由がわからないまま、心身の疲労感だけが蓄積されていったと言います。

「ある日、夜中に何度も目が覚めるようになって、寝汗でパジャマが濡れていたの」
その女性は、ZさんのSNSをたまたま読んでDMを送ったそうです。
「この部屋、何かある気がするんです。でも、気のせいだって思いたくて」

Zさんは、写真を何枚か送ってもらい、配置や光の入り方を確認。けれど、家具の位置だけでは説明のつかない違和感があったそうです。

「玄関の写真を見て、すぐに変だと思ったの」
小さな下駄箱の上に、誰かが置き忘れたような焼き物の皿があった。それは明らかに“その家の持ち主ではない気配”を持っていたと、Zさんは言いました。

さらに、その女性はこう続けたそうです。
「一度、夜中にトイレに起きたら、キッチンの蛇口がぽたぽた水を垂らしていたんです。ちゃんと閉めたはずなのに」
「しかも、鏡に……自分じゃない“誰か”が、うっすら映っていた気がして」

Zさんは、静かにこう返したそうです。
「部屋ってね、履歴を持っていることがあるの。人が変わっても、その空間に残された“なにか”が、ちゃんとリセットされるとは限らないのよ」

しばらくしてその女性は、押入れの奥から古びた布袋を見つけました。中には、知らない男性の名刺と、お守りが一つだけ入っていたそうです。

「どうして、こんなものが……?」
答えは出ないまま、その袋を神社に持って行き、お焚き上げしてもらったといいます。
それから数日後、キッチンに入ると空気の匂いが“変わっていた”と感じたそうです。

最終的にその女性は、転職と同時に新居へ移り、今は穏やかに暮らしているそうですが、「あの家のことを思い出すと、今でも胸がざわつく」とZさんにメッセージを送ってきたそうです。

Zさんが使っていた“香りの結界”

話の途中、Zさんが取り出して見せてくれたのは、意外にも手のひらサイズのガラス瓶でした。中には乾燥させたハーブと粗塩、そして白檀の粉末が層のように重ねられていました。

「これは“モイストポプリ”っていってね、香りで空間を結界のように保つの。火も電気も使わないけど、ずっと香りが残るのよ」
確かに、部屋の隅に置かれていたその瓶から、じんわりと穏やかな香りが漂ってきました。

「空気の“抜け”が悪い場所には、この香りの結界が効くのよ」
Zさんは、月の満ち欠けにあわせて材料を詰め替えたり、瓶の位置を変えるのだそうです。

私も同じように作ってみようと、Zさんのレシピを教えてもらいました。ローリエクローブゼラニウムオイルなど、素材の波動が高いとされるものばかり。
そして、瓶にそっとラベンダーの小枝を挿したとき、不思議と「この部屋、大丈夫かも」と思えたのです。
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豆知識:暮らしの中で“部屋の波動”を整える方法はこちら



空気を整えるって、香りを置いてあげることでもあるんです

白檀の香りは、“気”をすっと整えてくれるんです

ゼラニウムの香りは、心のざわめきをそっとなだめてくれます


“家のせいにするなんて”と我慢してきた私へ

Zさんと別れたあと、私はまっすぐ帰らず、近くの神社に立ち寄りました。
鳥居をくぐったとき、背中の重みがすっと抜ける感覚がありました。

「家が合ってないかも」なんて、これまでの私は絶対に口にしなかった。
でも今なら、こう言えます。
「感じたことを無視しない。それが、整う暮らしの始まりなのかもしれない」

Zさんは決して怖がらせたりしません。むしろ“暮らしを整えることが、見えないものへの最大の防御”だと教えてくれました。

私も、これから自分の空間をひとつひとつ見直していこうと思います。波動を整える小さな習慣を、暮らしに取り入れながら。

Zさんがこれまでに解決したさまざまな気配の話も、ぜひ読んでみてください。 better-life.hatenadiary.jp better-life.hatenadiary.jp


豆知識:暮らしの中で“部屋の波動”を整える方法

鏡の配置を見直す

寝ている自分が鏡に映る位置にあると、無意識のストレスや不安感を呼びやすくなります。特にHSP(敏感体質)の方は、鏡の位置を調整するだけでも睡眠の質が変わることがあります。

モイストポプリで香りの結界を

火や電気を使わず、天然の香りで空間の気配を整える方法。粗塩・ハーブ・白檀の粉を瓶に重ねて作ることで、香りが長く保たれます。波動が乱れたと感じたときにおすすめです。

月のリズムに合わせた掃除

新月は手放し、満月は感謝と浄化のタイミング。Zさんのように、月のサイクルに合わせて掃除や模様替えをすることで、気分も切り替わりやすくなります。

音と香りの“合わせ技”

音叉の音とポプリの香りを組み合わせることで、空間に立体的な“整え”が生まれます。視覚よりも聴覚と嗅覚に働きかける浄化は、意外と深く効きます。

植物が育ちにくい場所には注意

植物がすぐに枯れてしまう場所は、気の流れが滞っているサインかもしれません。空気の循環や採光を見直し、観葉植物の種類を変えてみるのもおすすめです。